結婚前の私は、自分の時間を大切にしながら、趣味や人付き合いを楽しむ生活を送っていました。
仕事が終わったあとに友人や会社の人と飲みに行き、週末は買い物やカフェへ行くのが定番。当時はそんな自由な生活が当たり前の日常で、日々の疲れを和らげる場所になっていました。
20代前半の頃は結婚というもの自体があまり身近に感じられず、どこか遠いものだと考えていた私。
好きな人と一緒にいるのは楽しいけれど、生活を共にするとなると、『喧嘩をせずにやっていけるのか』『価値観が合わなかったらどうしよう』と不安な気持ちも正直ありました。
そんな中で、当時同じ会社で勤めていた方とお付き合いをし一緒に暮らすことになりました。
お互い30代だったこともあり、自然と結婚を意識し始めていました。
そして結婚、妊娠へ
私には、結婚するなら『父親のような優しい人』という理想像があり、彼の穏やかな性格のおかげで結婚に対する不安は特に感じませんでした。
また、考え方が違ってもきちんと向き合って話してくれる人だったので『この人となら大丈夫』と思えたところもあるかもしれません。
すでに一緒に生活していたので、結婚してから大きく変わったことはありませんでした。
一緒に住むと一人の時間が減ったり、住んでみないとわからない価値観の違いは誰しもあるかと思います。
私たちの場合は、結婚前から一緒に生活していたことで結婚前後のギャップが少なかったので、そこは良かったと感じています。
そして結婚から少し経ち、2人の時間も充分楽しんだタイミングで、子どもを授かりたいという思いが芽生えました。同じく子どもが欲しかった夫の協力もあり、無事に妊娠することができました。
妊娠が判明したときは、素直に「授かれてうれしい」けれど「自分中心だった私が親になれるのかな」と不安も感じていたことを覚えています。
つわりで食べられるものが減ってしまい、今まで美味しいと感じていたものが美味しく感じられなくなってしまったときは辛かったです。
ようやくつわりが軽くなっても、生ものはよくないと思い、大好きなお刺身や卵かけご飯が食べられず妊婦生活は我慢の連続でした。
今まで我慢することなく自由に暮らしていた反面、できないことだらけの生活に正直嫌気がさしてしまったときもあります。
ですが、毎日大きくなっていくお腹を写真に撮ったり、胎動を感じて赤ちゃんが生まれたあとの生活を想像してみたり、今思えば温かく幸せな日々だったと感じます。
初めての出産と初めてのお世話

娘はちょうど出産予定日に生まれてきてくれました。
朝方、いつも感じないお腹の痛みをわずかに感じ、興奮しながら夫を起こしたことを覚えています。
そのあと生理痛のような痛みが続き、夕方に本格的な陣痛がきてから約3時間での出産となりました。
いきんでもなかなか出てこなかった娘は吸引分娩でのお産となり、出てきた時に頭の形が少し縦長になっていたので夫と思わず笑ってしまいました。
同時に「一生懸命、外に出ようと頑張ってくれたんだな」と愛おしい気持ちで胸が満たされました。
そのあとはお産の影響でベッドから起き上がることもままならず過ごしていました。
今でも印象に残っているのは、看護師さんが娘を病室に連れてきてくれたときのことです。
特に何をするわけでもなく、まだ見慣れない小さな娘の姿をじっと観察していたら、不思議と身体の痛みも和らいで心が元気になったのを覚えています。
それから娘のお世話に奮闘する日々が始まったのですが、まず最初に感じたのは『赤ちゃんに触れるのが怖い』ということでした。
入院中、看護師さんは他のお産の対応でバタバタしており、コロナ禍ということもあったので基本的には付き添いがない状態で、日中の娘のお世話は一人で対応をしていました。
娘に肌着を着せようとした時に、必死で泣く娘の手足を触ると折れてしまいそうでどうすれば良いかわからず戸惑ったことを覚えています。
顔を真っ赤にして泣いているのは、痛いのかお腹が空いてるからなのか分からず、常に手探りの状態でした。
それでも、抱っこをすると安心したように眠ってくれることがあり『これでいいんだ』と私もほっとして、とても幸せな気持ちになりました。
退院してからは、3時間起きの授乳による寝不足や身体の不調も重なり、夜間授乳のときの時間がとても長く感じられました。
ミルクを全然飲まない娘が心配で、スマートフォンで『新生児 ミルク 量』と検索をしては、目安と比べて明らかに哺乳量が少ないことに落ち込み『私のあげ方が悪いのかもしれない』と自分を責めたこともありました。
あのときの私に声をかけられるなら
娘が3歳になった今、あれだけミルクを飲まなかった娘は風邪を引きながらも元気に保育園へ行き、日々成長しています。
あの頃の私に声をかけられるなら『そんなに悩まなくても、子どもはちゃんと育つから大丈夫だよ』と伝えてあげたいです。
当時の私は『自分一人で頑張らないといけない』と思い込んでいました。
ですが、子育ては決して一人で抱え込むものではなく、時には周りの人に助けてもらうことも大切なのだと、今になって感じています。
もしあの頃の私のように悩んでいるママさんがいるなら、家族や友人、子育て経験のある人に、ほんの少しでも頼ってみてほしいです。
子育ては不安や大変なことの連続ですが、それ以上に幸せをたくさん感じられる時間だと、心から感じています。

